モノクマファイルの確認。
爆破による損傷が激しいため、死体の身元は不明。
この爆破は、被害者の死後に行われている。
腹部のナイフの傷は背中まで達している。
このナイフによる刺し傷は、1ヶ所のみ。
また、後頭部に殴られた形跡もある。
鉄パイプ程度の太さの棒状の物で殴られた様子。
他にも、全身に数多くの傷跡があるが、ここ数日のものではなく、以前からあった傷のようだ。
――キョウコ、じゃないよね。全身に傷は、なかったはず……そういえば手袋をしてる、と自由時間で一緒に過ごしたときに言ってたっけ? じゃあ傷があったかないかも分からないか。朝日奈が分からないかな。一緒に風呂とか入ったりしてて。
「モノクマファイル5」を記録。
植物園に移動し、朝日奈と会話。
爆破される前の死体は覆面を被っていて、体は白衣に覆われていた。腹部にはナイフが刺さっていて、腹部周辺の衣服が、血で染まっていた。血は止まっていたが、まだ乾いていなかった。血の量の割には、周辺の床に血痕はなかった。
「爆破される前の死体」を記録。
……全身の傷の話題にはなりませんでした。
フカワと会話。
……気絶するから死体は見ないそうです。
ビャクヤと会話。
話があると言われ、アリバイを聞きだされました。昨日の夜時間以降のアリバイ。
――何してたっけ? 具合が悪くて寝てた。ああ、覆面に襲われるような夢、そのあとキョウコが立っている夢を見たんでしたっけ。夢じゃなかったとは思いますが。
ビャクヤの話では、モノクマが動かなくなったことを皆に伝えるため、昨日の夜時間以降に植物園を訪れており、そのとき死体はなかったとのこと。植物園にはハガクレが数日入り浸っていたらしい。
つまり、殺人が行われたのは昨日の夜時間以降。
――と断言する彼ですが、そうとも限らないよなぁ。死体は動かせばいいだけだからなぁ。
ま、それはともかく、それから4人は朝まで一緒にモノクマの解体作業をしていたから、アリバイがないのは誠だけという話らしい。
「十神の証言」を記録。
ハガクレと会話。
いきなり、今は11時だと言われました。何だよ、と思ったら死体の発見時刻を気にしたらしい。
今日の行動を振り返る誠。
7時のモノクマアナウンスで起床し、7時30分ぐらいに食堂で朝日奈と会った。
そのあと体育館へ行き、皆と合流した後、学園長室の前まで行った。ツルハシを取りに行ったフカワが死体を見つけた。
死体発見は、9時ぐらい。
「事件の時間経過」を記録。
死体の傍に落ちている破片を調査。
赤線が書いてある破片。どこかで見た覚えがある、という誠ですが、見覚えがありません……。
「死体付近に落ちていた破片」を記録。
死体を調査。
拡大し、右手を調査。死体は長いつけ爪をしていました。
「つけ爪」を記録。
そして、右手の甲の部分にはタトゥー。犬をモチーフにした、とか言ってますが、六芒星じゃないのか?
「右手の甲のタトゥー」を記録。
爆破されたときに上半身にだけ水をかけたから、死体の下半身は濡れていない。
……バケツで水をかけたんでしたっけ? まぁ、どうであれ、下半身だけ濡れていないって、おかしいんじゃないのかなーと思ったり。
「爆破された死体の特徴」を記録。
死体傍のナイフを調査。
きっと爆発の衝撃で吹き飛んだんだな、と推測しますが、腹部から背中まで達していたナイフが、そうそう吹き飛ぶものかな。
――誠が、昨夜具合が悪くて寝ていたときに襲われたときに無我夢中で抵抗して自分が殺してしまったんじゃないか、と考えますが、それは絶対違うと思います。
「現場に落ちていたナイフ」を記録。
スプリンクラーの制御パネルを調査。
毎朝7時30分にスプリンクラーが作動する設定で、変更も不可。
あら? そうすると死体が濡れてないのはおかしい。
殺人が行われたのは7時30分以降、ということになりますね。
「スプリンクラー」を記録。
飼育小屋を調査。
鶏が4羽。もともと5羽いたはず。昨日の夜時間前に見に来たときは5羽いた、とハガクレが証言しました。
「飼育小屋のニワトリ」を記録。
物置を調査。
白いビニールシートを発見。調査してみると、土や泥で汚れており、しかも水で濡れている。裏面は綺麗で、濡れてすらいない。
死体をこれでくるんでいた、のかな?
スプリンクラーの作動したあとではぎ取った、とか。
何の意味がある行動かはまだわかりませんけど。
「ビニールシート」を記録。
ひとまず、ここでの調査は終了。
あとは、先ほどの破片に関係のある場所を調査。と、誠が意気込みますが、私は見覚えがないんだが……どこに行けばいいんだ。
あとは、キョウコのことを調べるために彼女の部屋へ。
――彼女の部屋の鍵はビャクヤが持ってるんでしたっけね。
話しかけると、ビャクヤと一緒に行くならいい、ということに。が、調べることが他にあるから、あとでまた声をかけろ、とのこと。むぅ。しかたないか。
破片の見覚えがないので、もう、手当たり次第に調べていきます。
……ひょっとして学園長室かな、とか思って行ってみましたが、鍵が直されてました。ちっ。
MAPを見直してたら体育館にイベントマークがついてたので、行ってみました。
そこには壊れてるモノクマが転がっています。
もしかしてモノクマの部品かなー? と思って調査してみたら、爆弾のことを思い出されました。
そういやモノクマに内蔵されていた爆弾、ありましたね。その爆弾が、今はなくなっています。
どうやらあの破片は爆弾の破片だったらしい。
「死体付近に落ちていた破片」を更新。
ビャクヤに頼むため、植物園へ。
話しかけると連れて行ってくれました。
部屋に入り、再びビャクヤに話しかけると、誠が前に渡されていた封筒のことを思い出し。開けてみることに。
中には紙切れ。ベッドシーツの下、と書かれています。
寝台を調べてみると第78期生在学生名簿を発見。戦刃むくろのプロフィールのようです。
戦刃むくろ、性別は女。
超高校級の軍人。
細身の外見にはそぐわず、あらゆる武器の扱いに長けた戦闘のスペシャリスト。
幼少の頃からミリタリーに特別な興味を抱き始め、その世界にのめり込んでいった。
小学校高学年の頃に、国際サバイバルゲーム大会で優勝。それと同時に、現代軍事関連詩などでの執筆も始める。
だが、中学入学直前、家族旅行で行ったヨーロッパで失踪してしまう。
当時は、日本人少女誘拐事件として、新聞やニュースにも取り上げられる騒動に発展したが……当局の捜査もむなしく、彼女が見つかる事はなかった。
しかし、その3年後、突如として単身で日本に帰国。
彼女は、姿を消していた3年間を、“傭兵部隊フェンリル”で過ごしていたと告白。
誘拐された訳ではなく、自らの意思で、傭兵としての訓練を受けていたと言う。
だが、どうして今になって突然の帰国を果たしたのか、その理由に関しては、不明のままとなっている。
「戦刃むくろのプロフィール」を記録。
フェンリルは狂った戦争屋連中の集まりだ、と教えてくれるビャクヤ。さすがです。
フェンリルって、今までの話の中で、どこかで聞いた気がする。どこだっけかなー。
いきなりモノクマ登場。
コロシアイ学園生活の参加者について教えてくれました。玄関ホールには15人しかいなかったが、参加している高校生は全部で16人。その人物についても校則は適用される、と。
じゃあ戦刃の個室ってどこなのさ?
なぜ今更そんなことを教えるのかと怒りを露わにするビャクヤに、モノクマは飄々と、生放送中で大勢の視聴者がいるから、ルールをハッキリさせる必要があるかな、とかふざけた物言い。
そして、キョウコが手袋をつけていたのは、両手にある“人に見せたくない痕”を隠すための物だ、と教えてくれました。
「モノクマの証言」を記録。
テーブルの上を調査。
六、と書かれた木の札を発見。脱衣所の? と思ったけど、武道場のロッカーらしい。
「木の札」を記録。
そのまま強制的に武道場へ移動。
ビャクヤに話しかけると、さっさとロッカーを調べろ、と怒られました。
ロッカーを調査。
中にはジュラルミン製の矢が入ってました。
「ジュラルミン製の矢」を記録。
そして丸められたガムテープを発見。血痕が付着しています。
「血痕の付着したガムテープ」を記録。
続いて図書室の書庫へ。フェンリルについて調査です。
ビャクヤに話しかけると、フランス語で書かれた本を見せてくれました。――読めてたまるか。
フェンリルは中東を本拠地とする戦闘のプロ集団。
直接戦闘行為に特化した、荒々しい戦闘集団。
隊員1人が一般兵100人に相当する戦力を保有するらしい。
が、しばらく前に突如として活動を停止。現在では、その存在すら確認できていない。
主要メンバー全員が殺害されたとの情報もあるが、確認が取れていないため、定かではない。
フェンリルの意味は、終末の狼。メンバーは、フェンリルをあらわす刻印を体のどこかに必ず刻んでいる。
――あの死体がキョウコだと確定したようなもんじゃないか!
まだ信じたくなかったのに……。でも、本当に、なのか?
「戦刃むくろのプロフィール」を更新。
なんと、ここで捜査終了。学級裁判が始まります。