廊下も結構水浸し。
その先に扉を見つけ、勢い込んで開くと――吹き抜けになった広いフロアに出たようです。
豪華客船に乗ったことがないんでしょうね、淳平は。
エントランスの広さと豪華さに驚いております。
私もそんな船に乗ったことはありませんけどね。
海水に追われるようにして、淳平はCデッキへ。
いや、沈むだろう。この船は確実に。
救命ボートのゲットが先だろう。とか思ったりして。
あ、ちゃんと走ってます、淳平。
続いてBデッキへ到着。
Aデッキに向かおうとしたとき、階段に人の姿が。
4人が並んでます。しかも反対側には3人。
淳平を入れると8人か。あと1人足りないな。
7人は淳平とは反対に、階段を駆け下りてきているもよう。
上からも海水が迫っているとか?
「仲間が1人増えたわね」
踊り子のような身なりをした女。
……踊り子って。
銀髪の男の子に、ごつい体つきの年配男性。
上には扉が2枚あるけど開かない、と教えてくれました。
ああ、海水から逃げて上に行ったけど、扉が開かなかったから下に戻ってきたところで淳平と遭遇したのか。
桃色の髪をした少女。
そして目を閉じた青年。盲目?
「これで9人目か」と呟きますが、どこに9人目が?
そういや茜さんはどの人だろう。
茜が9人目?
そして、眼鏡をかけた年配――さっきの年配男性よりも輪をかけて年配の男性。
と、もっとごっつい体つきをした男性。
ごっつい体つきをした男性は「岩男」というらしい。ピッタリだ。グッジョブ両親。
Aデッキの扉は開かないから、Bデッキの扉をこれから調べる、とのこと。
なるほど、行動が素早いわ。
岩男に投げられたフロアの先で見たのは、2枚の鉄扉。
片方には「4」、もう片方には「5」と記載。
銀髪の男性が、自分が閉じ込められていた部屋にも同じように数字が書かれた扉があったのだと申告。
眼鏡に「年配男性」を奪われた、ガタイのいい男性が、自分も同じだと同意。
名前は「獅子翁」というらしい。
扉に関しては、他の人たちも同様らしい。
岩男が「5」の扉に体当たりしますが、もちろん破れず。
「4」の扉も同じ。
他の扉はないものかと探そうとし、そういえば先ほどの大階段のところにあったような――と戻ろうとしたとき、9人目であろう女性を発見。
あ、茜っぽい。
しかも淳平は彼女に見覚えがあるっぽい。
幼馴染設定らしい。
そんな設定だったっけ? 忘れました。
久々の再会に浸っているところ、無骨な機械音が割り込んできました。
「諸君らの乗船を心から歓迎する」
ようやくゲーム開始ってところでしょうか。