通路の先には、他の人々の姿が。
合流です。
次のCD開放までは2時間6分。
最初の倉庫に戻りましょうか。
全員バラけてABルームへ。
シグマはファイと一緒に入り、アリスと対戦することになります。
中に入るのですが……「誰もいないなぁと思って」と、シグマ。
ああ、そうか。他の周だと、老婆が発見されてるはずですものね。
……ていうかこれってすべてフラグになってるのか。
老婆がいないってことは、他のABルームにいるのか? とも思いましたが、叫び声は聞こえず。まだ殺されていない……?
確か、老婆だけはディオが殺したって、ディオ自身で認めていたのですが。
ABルームでスタートボタンを押した瞬間、ファイに怒られました。
え、なんで?
説明文にはこのラウンドが終わるまで扉が開放されない、と書いてあったのを読まなかったのかっ? と。読んだけど……。
つまり40分以上も出られないことになる、と怒るファイですが。
……ゼロ兎が登場。
今まで通り説明してくれますが、最後のところがちょっとだけ違います。
最後にもう一つ言わなきゃいけないことがあるんだけどこれで失礼するよ。時間はまだまだたっぷりあるから、悩んでくれたまえ~♪ みたいな。
結局、時間があってもなくても言うつもりはないんじゃないか。
ゼロ兎が消えて、アナウンス。
投票の締め切りまで、あと30分。
長っ。と思ったけど、今回は老婆の死体を見つけずにロスタイムがないのですから、当然といえば当然か。
……今の間に老婆が殺されるんじゃないんだろうか、と思うわけですが。
時間はたっぷりあるのでファイが色々と小難しい話をしてくれました。
つまり我々は協力を選ぶべきだ、と1周目とはまったくちがう話になるのかと思いましたが、ファイは「裏切り」を選ぶべきだ、と1周目と同じ結論に達しました。
全員が協力を選ぶのが理想的な形だが、アリスが裏切りを選ばないという証拠がないから自分の保身を図るために裏切りを選ぶべきだ、と。
ここで再びアナウンス。締め切りまで、残り20分。
まだまだだな。
ここで、二人で互いのことを知ってるんじゃないかと口論。
お前のことなんて1ビットたりとも知らない――と言い切ろうとしたシグマですが、なぜかここでフラッシュバック。まだ知らない光景までフラッシュバック。多分これから起こることなんだろうなぁと思いますが。知らないことがありすぎた。
シグマ……もう諦めよう、とファイが白黒世界で語りかけてきました。
時間がきてしまったようだ、と。
意味が分からないまま話を聞いてると、突然、基地が爆発する光景が。
これが、ディオEDで言ってた爆弾の話?
どこをどうすればそういう話に繋がるのか分かりませんが、それはこれからの話ってことで。
現実に戻ってきました。
この施設のどこかに爆弾が仕掛けられていて、俺とファイはそれを止めようとしている、とファイに話すシグマですが、ファイは怪訝そうな顔。ファイたちの記憶がどう繋がってるのか分かりませんが、その話はファイは不明のようで。
それから締め切り時間まで、無言で過ごしました。
ちゃんと裏切りを選んでくれるんだろうな? と言うファイに、大丈夫だと返すシグマですが……協力を選択させていただきました。
さて、結果発表ですが……。
K+四葉は天明寺を裏切り。
ディオ+クォーク+ルナは全員で協力。ディオ、珍しい。ビックリ。
そしてシグマ+ファイは、アリスに裏切られました。
ディオが協力を選択したのって、老婆が殺されてないからでしょうか……?
アリスに食ってかかったシグマでしたが相手にされませんでした。
この状況で裏切り以外選べないでしょう、と。合理的な選択をしたまでだと開き直られました。しかも、頭悪いんじゃないの? とまで。
……アリスと四葉は通信機でも持ってるのでしょうか……と思って、そういえば四葉はテレパシーが出来たのでは、と思い出しました。四葉EDでそんなことを言ってましたよね。でもあれって、兄にしかできないと聞いたんですけど……。
まぁいいか。
一方、ディオ+クォーク+ルナは和やかムード。全員で協力を選んだんですものね。
ディオは歯切れ悪そうにしてましたけど。
最初本当は、ディオは裏切りを選ぼうとしてたんだよ、と言うクォークですが、嘘嘘冗談、最初から協力を選ぶのが当然だよ、とクォークは明るく笑い飛ばしました。
ルナは安心したようですが、やっぱりディオは歯切れ悪く。きっとクォークの言ったことが本当なんでしょうね。
そういえばアリスが第1ラウンドでBP6になるのは初めてなんじゃないかな。
今までずっと裏切られてて、BP1でゲームを巡ってたから。
次の組み合わせは、
シグマ=黄ペア
アリス=黄ソロ
ルナ=黄ペア
天明寺=紫ペア
ファイ=紫ソロ
ディア=紫ペア
K=水ペア
クォーク=水ペア
四葉=水ソロ
次のCD扉が開くまで、残り42分
ぼやいていても始まらないので、探索することにしました。
まずは医務室へ。
そこにはアリスとディオと天明寺。
アリスが絶対にここから脱出しなければいけない理由――殺された父の仇を取ること。組織に関わることでしょうかね。ディオがいる前で、豪胆な性格です。ディオの正体をまだ知らないからなのか。
自分のことばかりではフェアじゃないから、と他の人物についても聞くアリス。
まずは天明寺。
ただの廃品回収業者。クォークとの関係はノーコメント。
続いてディオは。
サーカスの……団長。とのこと。バカじゃないの?
50人ほどのキャラバンを率いて、各地を転々と巡業してまわっている。もともとは爺さんの爺さんが起ち上げたサーカスだが、ディオが5代目の団長として跡を継いだそうだ。父は空中ブランコ乗りで、誰もやったことのない4回転挑戦に失敗して死亡、と。
嘘だろ、絶対。
さらわれたのは千秋楽を終えて、夜の街に繰り出したとき。
酔っ払って、キャンピングカーに戻る途中で襲われて、黒いバンの中に引きずり込まれた。その直後に白い煙を吸わされて、気づいたらABルームの箱の中。
最後にシグマ。
ドクターの卵みたいなもの。Ph.D――博士号はまだ取れてない。
結構凄い奴だったんですね、シグマ。
他のメンバーについても推論。
四葉について。
昼は学生。夜はカフェバーで働いてるみたい、とのこと。
クォークについて。
聞くまでもなく小学生だよな、というシグマでしたが、天明寺に鼻で笑われました。
天明寺ENDを見る限り、クォークは学校に行くこともなく天明寺の仕事を手伝ってる感じでしたけど……その通りなのでしょうかね。
ルナについて。
ルナのことなら俺が知ってるぜ? というディオにビックリ。知り合いかと思いましたが、どうやら先ほどの医務室探索で聞いたから知ってる、という意味合いだったようです。ああ、ビックリした。
医療関係の国家資格を持ってるとのこと。
最後はファイ
ファイについてはとにかく謎だらけ。
俺たちの共通点は何だろうな? と言うシグマですが、当然答えはなし。
今はひとまず脱出の手段を見つけ出すことに集中。
他の連中の様子も見るため、続いてラウンジへ。
そこにはファイとルナ、四葉。
一杯飲んでく? と言う四葉。ついこないだ20歳になったばかりだとか。
全員が体に違和感を覚えてる様子。まるで体が自分のものではないような、不思議な違和感。かなり強力な麻酔のせいかもしれない? とルナが推理してくれますが、さぁ、真実はどうだか。
コールドスリープの可能性もありますしね。
最後はキャビンへ。
ここにはKとクォークがいました。
シュレディンガーの猫についての話に。Kが詳しそうです。
ある装置が組み込まれた箱の中に、1匹の猫が閉じ込められている。
その猫は、生きている状態と死んでいる状態が重なり合ったまま共存している。
というような内容らしい。
生きてる状態と死んでる状態って……?
それ以上の考察はありませんでした。
ラウンジで気になったのは、月食をモチーフにした仕掛けがあったこと。
2028年の12月31日に、皆既月食が起こる。部屋には、それに関連した特殊なギミックが設置されていた。と、Kが教えてくれました。
シグマ、それは今年の大晦日だろう、と驚き。
ここでシグマの独白で、月食だからといって何か関係が? と呟きます。月食……月食……と繰り返したので、何かあるのかと思いましたが、あっさりと次へ行ってしまいました。フラグが足りないとか、あるのかな。
医務室を調べたのはクォーク。
ラジカル6についての切り抜きを見せてもらいました。
ここでまたシグマの独白で、本当にラジカル6について聞いたことがないのか? と自問自答。知っているような気もする……となって、またまたアッサリ次へ行きました。
そのとき四葉が走ってきて、何かが見つかったの! と引っ張っていかれました。
……老婆の死体?
キャビンの2号室で見つかった、という四葉。そんなところに一体なにが?
……四葉のこの様子だと、アリスが自殺した線もまだ考えられませんし。
とにかく行って見ましょうか。
2号室のベッドの下を見てみると、なんと、何かのカプセルが発見されました。
03と書かれた装置のようなもの。
さっきABルームでフラッシュバックしたとき、見た装置です。
……もしかして爆弾?
と思っていたら、四葉も同意見。多分、爆弾だと思う、と。
てか、他の人たちもいると思ったのに、なぜ四葉だけここに?
再びシグマ、フラッシュバック。あれが幻でも白昼夢でもなかった、と確信。
予知? と、そこには疑問を覚えますが、ひとまず置いといて。
他の人も呼ばないと、と焦るクォークですが、他の人はルナが呼びに行ってるもよう。そろそろ来るんじゃないかな、との言葉通り、全員が集結。
ディオが真っ先に「爆弾とやらはどこにある!」と怒鳴り込んできました。
先ほどキャビンを調べたときには無かったのに、一体いつの間に取り付けられたんだろうか。
ファイが静かに観察。
時限式のものではなく、遠隔操作で起爆させる仕組みらしい。
アリスも同意。
何者かがリモコンのスイッチを押せば爆発する。逆に言えば、それが押されない限りは安全。
最初に爆弾を見つけたのは四葉とルナ。
ラウンジを調べてたけど何も見つからなかったので、このキャビン2号室へ来たとのこと。
なぜ爆弾だと分かった? と訊ねるファイに、四葉は「見れば分かる」と断言。
でも、普通の人は、これを見ただけじゃ爆弾だと分からんよ。
なぜ分かったのか、と追究すると「研修のときに――」といいかけて、アリスに遮られました。慌てる四葉。
「とにかく、そこにあるのは間違いなく爆弾よ」
と注意を自分に向けるアリス。
「とりあえず、仕事柄知っている」
あやしさ満点の回答でございます。
その爆弾は、そこらへんに転がってるような爆弾ではない。
「反物質――爆弾」
ファイも怪訝そうでしたが、なんと詳しい。
「それはもしかして、対消滅のエネルギーを利用した爆弾のことか?」と驚きました。
お前こそ何者だよ、と問いただしたい。
この世界には素粒子とはまったく逆の性質を持った『反粒子』というものが存在する。たとえば電子はマイナスの電荷を持った素粒子だが、それとは逆にプラスの電荷を持った陽電子というものも存在し、これが通常の電子にとっての『反粒子』ということになる。
……難しい。
ほかにも、陽子に対しては『反陽子』、中性子に対しては『反中性子』というものがある。
【反物質】とは、これらによって構成された物質の総称のこと。
ところで【反物質】は『通常の物質と衝突すると消えてしまう』という特殊な性質を持っている。これが【対消滅】と呼ばれる現象で、このとき消失した質量は、ごっそりと丸ごと【エネルギー】に変換されることになる。
このときに発生する膨大な【エネルギー】――これを利用したものが――【反物質爆弾】だ。
超詳しく解説してくれるファイ様。
爆弾の規模はどれぐらいになるんだ? と言うディオにアリスがまた小難しい話をし始めました。
それだったら、アインシュタインが発見した有名な公式――【E=mc^2】を使えば簡単に導き出せるわ。
簡単なわけあるか。
反物質と物資を合わせた質量に、光の速さの2乗をかければ、放出されるエネルギーの値が出ることになる。
ついていけるファイ、すげぇ。
例えば仮に、反物質の量を【350mg】と設定すると、エネルギーの値は63兆ジュールに。ジュールって何の単位だ。
広島に投下された原爆のエネルギーと同じ、とのこと。
思わず腰が引けるディオ。
けれど安心して? というアリス。光明が?
この爆弾がアリスの知ってるものと同じだとすれば、45億ジュール。
……具体的に言ってくれ。
1トンのTNT火薬が爆発するのと同じくらい。
……いや、まだ実感が湧きません。
10階建てのビルを丸ごと吹っ飛ばすのに充分な量じゃないか! とディオが怒鳴り、ようやく実感。話が雲の上すぎて、ついていけません。
この施設の規模はまだ分からないから、遠くへ逃げれば、生き延びれる可能性はまだあるでしょう? と楽観するアリスだが、Kは別意見。
この爆弾には03と記載されているから、02の爆弾や01の爆弾も、どこかにあるかもしれない。
そう言うと、皆は黙り込んでしまいました。
緊急解除用のパスワードがあるはずだから、それを入力すれば、装置の機能を解除できる。コネクタがついているから、ここに専用の端末を接続すると、そこからパスワードが入力できるようになるとのこと。
では目下の目的は、その専用端末を見つけることですね。
と思っていたら、あらら? みんなの疑いの眼差しがシグマに向けられました。
一人、倉庫に残って考え事をしていた、と言った瞬間これですよ。
俺は無実だー!!
・10番目の客はいない。
・そしてゼロボスは、俺たちの中に潜んでいる。
だとしたら、そのゼロボスが爆弾を仕掛けたのだろうか?
もしもそうだとすると、それは一体誰なのか……?
そもそもこのゲームの主宰であるゼロボスが、わざわざ爆弾なんてものを仕掛ける必要があるのか?
釈然としない。
すると犯人は、ゼロボスとは別の人物ということになる。
私もその意見に賛成です。
と、ルナが重大なことに気付きました。
CD扉が開くまで、あと4分。
……あれ。アナウンス、流れてないよね?
ひとまず、急いで移動することに。