リロードし、改めて界王の前に立つ主人公。
そういや私の相棒はどこ行った(遅い)
弓のノーマルスキルだけで、楽々倒せました。
やったね。
ラスボスにしてはあっけない。きっとこれから三段階変形が始まるんでしょう。
胡乱な目でムービーを見つめます。
「これが世界……そして……」
界王、右手に何か、水球を持ってます。実は界王、メイジ?
彼が右手を返し、水球が重力のまま落ちて……そこからポーンが生まれました。しかも主人公とそっくり。瓜二つ。主人公の装備品をひっぺがした感じ。趣味悪いぞ、界王。
「真実は無慈悲だ」
そうか、主人公は界王から生まれたんだよと言いたいのか?
ちょっと考えをまとめていたら、生まれたばかりのポーンを、あっさり背後から攻撃し、倒す界王様。
ちょっ……。
あまつさえ炎に焼かれて炭になりました。
……界王様。さすがにそれは、酷いよね。
「生命は、単に器。意志は生をつかみ取って来た」
意志の前に生命でしょう、と鶏卵議論を繰り広げてみた。
「ポーンが覚者の指示を欲するように、世界も生きる意志を欲するのだ」
うーん、うーん、分かるのは分かるんですが、なんだかしっくりこないです。ピースが完全に合わない感じ。なんだろうか。
そして嬉しそうな界王。
「さぁ続けよう、覚者よ。
お前が、ただ動くだけの虚ろな器ではないと示してみせよ。
お前が、ポーンよりももっと大きなものを従わせる魂を持つと、示してみせよ。
お前が、この歪んだ円環を繋ぎとめるに足る意志を持つと示せ。
生を求め、あがいてみせよ。
生に、あがくだけの価値があると、示してみせよ」
ちょっとだけパズルのピースが合いました。
示してみせよとか言われて何様だと思ったけど、界王様ですね、はい。
自分が否定されること望んでる人ですね。
そして否定してくれる人が現れるまで、このはた迷惑な実験を繰り広げると。
……今までの恨みも含めて、さっくり倒しました。
さっきより強くなってると思ったのに、全然変わらない。
ドラゴンが一番の障壁だったと思われる……。
ていうか、この人がエヴァーホールに落ちたら、それこそ生きて帰ってこれないんじゃ……。
うつぶせに倒れた界王をひっくり返す主人公。
フードの下から覗いた瞳は、生気を欠いた、死人のもの。というか、目の形は主人公そっくり。怖いよ。てか、私か?
「選択だ」
と言われました。
苛烈な生の先を進むのか、安寧のうち生に蓋をするのか。
いつの間にか主人公の前には長い雲の通路が出来ていました。
後ろを振り返ると、私が立ってました。ビックリした。
村の浜辺で竜に襲われたとき、そのままの私。
そして、過去主人公の背後には、彩り豊かな村の風景が。
うーん。うーん。
迷いつつ、ここまで来たんで、前に進んでみましょうか。
過去主人公に背を向けて、前に進みました。
何人かが、通路を塞ぐように立っています。
進むとメイソンでした。
こいつ、結局最後の最後まで出てこなかったなー。選択肢を失敗したんだろう、どこかで。
「このへんで仕舞いにしちゃどうです? 村でゆっくり、平穏に浸かりましょうや」
と語りかけてきました。
なるほど。諦めさせ隊のわけですね。
……思い切り殴りかかってきました。
え、私、何かこいつに嫌われるようなことした?
確かにクエストで呆れられたけど、それでも。
最初は間違いかと思いましたが、何度も何度も。理不尽なくらい殴られ続ける主人公。なんでだ。
(ノ≧□≦)ノミ ┻━┻
思わず反撃。
「うおぉっ」
と大げさな悲鳴をあげて腹を押さえるメイソン。
主人公に手を出すお前が悪い。と思っていたら、そのまま倒れました。
……え?
いや、確かに、奴は拳で、私はダガー。
殺傷能力は高いけども。
……動かない。
……マジで?
……つかめない。竜の鼓動も発動しない。
……殺したようです。
そ、そっちが殴りかかってくるのが悪いんだい。
倒れたメイソンが消えることもなく、仰向けに倒れた彼の屍を踏み越えて先に進む私。超罪悪感。
次は、白髪の老人? と、魔法使い。
誰だよ。知らねぇよ。
台詞もなく、いきなり殴られました。なんだっていうんだ、こいつらは。
ちょっと観察してましたが、殴られると地道にHPを削られるようです。せめて訳を聞かせてくださいと思って話しかけようとするんですが、彼らには話し合いの選択肢すらないようです。ううう。
メイソンの二の舞を繰り返したくなくて通路の先に逃げたんですが、追ってくるんですよ。怖いよ。弱いものイジメだよ。
あ、次はメルセデスでした。彼女、結局援軍を呼んで来るのは間に合わなかったなぁ。
「お前には戻るべき場所があるはずだ」
と声をかけてくれました……って、メルにまで襲われた!?
しかもメルは剣で襲い掛かってきますよ、マジやめて!
私は女の子を倒したくないのよ!
慌てて先に逃げますが、やっぱり追ってくる(涙)
次にいたのは若かりし領王とフェルチ道化師。
問答無用で襲い掛かってきます。
何なのお前ら。領王は分かるけど、おい、そこのピエロ(怒)
いい加減、集団で襲い掛かられて邪魔! これ以上増えないで!
と、少しだけ来た道を引き返すと、襲ってきてた人たち皆、いっせいに剣を納めました。
あ? 嬲り時間は終わりですか?
訝りながら近づいてみたら、また皆で一斉に臨戦態勢、構え。
うわわわ、と戻ったら、再び一斉に剣を納め。
……近づいたらまた一斉に剣を抜き。戻ったら一斉に剣を納め。
なに、そのチームワーク。面白すぎる。
しかも、来た道を戻って振り返ると、メルがめっちゃいい笑顔で手を振ってきてました。
ああ、ああ、そう。私をあの世界に帰そうということね?
先に進んでくれるなと。
そういわれると余計に進みたくなる私。
次はジュリアンでした。お前はどこにいたんだ。
「迷うことはないだろう。お前には、護るものがあるのだから」
そしてやっぱり襲ってくるジュリアン。裏切り者。
なんとか先に進むぜ、と先に進んだら、容赦なく後ろから切りかかってくるメルセデスとジュリアン。
お前ら……騎士だろ……。
次は領王。老いた方の王ですね。
彼には台詞も何もなく、問答無用で襲い掛かられました。あははは。気持ちは分かる。
……って、王様、攻撃強!
一気に1000も持っていかれました。
うわーん、やめてやめて、と思いましたが、その頃には主人公、すっかり囲まれてました。こ、怖い。怖いよお前ら。
彼らってちゃんと当たり判定があるんですよ。だから囲まれたら抜け出せない。邪魔! 邪魔!
残りのHP130。
ちょっとパニックで薬草使うことも思い出せないでいたら、領王の攻撃によって、哀れ主人公、倒れました。
……マジですかッ。
ここでもドラゴンになるんだろうかと思いましたが、ここでは普通にゲームオーバーでした。ここでこそドラゴンになるべきだと思います。こんなによってたかってイジメられたら、そりゃ主人公もドラゴンになりたいと思うって。
ここでは竜の鼓動を使えるようです。
使いますか? との問いに、ちょっと考えて、NOを選びました。
もしかしたらここでもエンディング分岐するかもしれないなーと思ったのと、もし特別ENDがなくてゲームオーバーでも、メイソンを殺したまま行くよりは時間を戻した方がいい。
と考えて、やり直すことにしました。
ここでのリトライは、戻るか進むかの選択を迫られているところから。