プレイ日記という性質上、当サイトの記事にはネタバレを多分に含みますことをご了承ください

ドラゴンズドグマ38 虚しき凱旋

 とんでもない苦労をしながら領都にたどり着いた、主人公たち一行。
 中に入って、呆然としました。
 噴水広場が丸々消えてます。大穴が空いてます。宿屋ごと消えてます。酒場も半分消えてます。
 大穴の周囲には人々が不安そうな顔をして、集っていました。

 ドラゴンとの決戦の地で見た、崩れた街って、やっぱりここですか。今あの光景を思い出しました。
 穴の近くには、いつだったか土地を追い出されたジャスパー一家もいました。彼らが元々住んでいたところは穴に飲まれたそうです。命があって良かったな、ジャスパー。
 しかし彼の奥さんと息子さんの姿がない。
 ……彼らは?
 ひとまず、連戦続きで疲れてたので宿屋に行きたかったんだが、宿屋がない。仕方なく、次なる情報収集としてポーンギルドに向かいます。
 朝でも昼でも画面が見にくくなりました。常にランタンつけといたほうがいいかもしれない。
 ポーンギルドの前に、クエストマーク持ったおっちゃん発見。
 話しかけると「お待ちしておりました」と迎えてくれました。
 そんなに仲良かったっけ?
「私どもより領王の所へお急ぎ下さい」
 いや、お前の様子を見に来たわけじゃなくて、ポーンギルドの中に宿屋のおっちゃんがいるから……彼に用事があって、来たんだけど……。
 会話が終わったら暗転し、少し離れた場所に戻されました。
 ……?
 もう1回近づいてギルドの中に入ろうとしましたが、同じです。戻されます。どうやら強制的に、中には入れないようになってるようです。
 イベントを起こすまではお預けですか。
 ふぅ。

 どうやって回復しようかと思いましたが、杞憂でした。
 菜園の周囲に避難所が作られており、その内の1つに宿営地がありました。といっても普通の兵士なので、倉庫からアイテムを引き出したり、ジョブチェンジなどはできません。あくまでも宿泊とアイテム輸送のみ。
 充分だ。
 そしてここでヒップとサラに会いました。ジャスパーと同じく、彼らも無事だったようです。良かった良かった。安心です。

 宿屋で回復したあとは、通用門を通って城方面へ。
 途中でフォーニバル親子に会いました。彼らも無事だったんですね。良かった。
 無事を喜びながら城へ入りました。
 ……今回はポーンたちが特別についてきてくれないかと思ったけど、ここは変わらないみたいです。城内には私1人だけ。寂しい。
 城も、人の気配がまったくしません。いつもなら宝物庫の前にも人がいるはずなんですが、今日はいません。ラッキー。と思って宝物庫に入ったら、なんと、宝類はすべて片付けられていました。残念。

 謁見の間に行くと、空っぽの玉座を挟んで、フェデルとオルダスがいました。恐る恐る話しかけたら「まずは領王に会ってくれ」と言われました。
 ……この二人、敵になるのかな。
 城内は、この二人以外、誰もいません。恐ろしい雰囲気です。

 赤丸がついてる領王の執務室へ。
 中に入るとムービーが挿入されました。
「ドラゴンに会えたようだな」
 主人公に語りかけてくる声。しかし、肝心の姿がありません。
「お前が何をしてきたか……わしには判っているぞ」
 領王の姿を捜す主人公の肩に、背後から近づいた何者かが手をおきました。驚いて振り返る主人公。彼女の目の前には、年老いた王の姿が。
「奴を倒せるはずがない」
 なぜ断言する。
「ドラゴンと取引しただろう」
 不可解な顔をする主人公。醜いな、王様。
「追いたて、新たな王になる力を得たんだろう!」
 そうとう追い詰められているようです。声を荒げ、剣を構える領王。
 クエストが更新されました。
『領王と戦う』
 えええ、マジですか!?
 慌てて扉に向かいましたが、鍵がかけられているのか、開きません。なんてことしてくれるんだ、王様。
 しかし王様はかなりのご高齢。足元もおぼつかないのに剣なんて振り回すもんだから、直ぐに息切れします。しかも、動きもスローモーション。避けるのは簡単です。
「貴様が、新たな覚者が現れなければ、わしはまだ王として君臨できた。余は死ぬことがなかったのだ。ドラゴンが死ぬまでは!」
 可能性を信じない王。主人公も、教えてあげればいいのに。でも信じないんだろうなぁ、この王様は。生贄を捧げてこの地の王になった人だから。長年、そのことに苦しめられてきたから、それ以外の選択肢をつかんだ主人公は、ひどく疎ましいのでしょう。そしてそこに至る考えも持てないんでしょう。
「貴様が、貴様も望んだのだろう。命を長らえることを……王の座を!」
 いや、こんな暗い城に座する王に魅力はないし。望まないよ。
「絆と……大切なものと引き換えに栄華を望んだのであろう!」
 “栄華”の意味も、捉える人で様々だと思いますけれど。
「ドラゴンと取引し、余を殺せば、次の領王は貴様だと、唆されたのであろう!」
 ……つまりこの人はそうやって今の王になった、と。自分で『そそのかされた』とか言って、人のせいにするパターンですね。長年苦しんできたんでしょうねぇ。王妃様の首を絞めたときに呟いてた名前の人が、生贄にされた絆の人なんでしょう。レノアでしたっけ? 忘れた。
 王妃さまのイベントって、もうあれで終わりなのかなー。
「だが渡さぬ、渡さぬぞ! なるものか……貴様などに、渡してなるものかぁ!」
 咆哮と共に領王、剣を振り回します。
 主人公は執務机を盾にして、ずっと王様の台詞を聞いてたんですが……最後まで聞いても、何も起こりません。しばらくそのまま放置してたんですが(王様は机につっかかって来れません)、次のイベントが起きる気配はなし。
 ここはもう、戦わないっていう選択肢はないのかな。
 椅子の下に散らばってた誰かの髪の毛を採取しながら、王様をジッと見つめてみました。白髪で、目は落ち窪み、動作も鈍く、とても英雄と呼ばれていたとは思えない醜悪な姿。妄執。
 両手剣ってことはウォリアーだったんですかね。
 ……ふと、ゲームのプロローグを思い出しました。あの男主人公が領王だった、ってことはないよね。あり得る話かもしれない。うーん。続きが気になる。

 いつまでも王に付き合ってるわけにもいかないので、机から向こう側に場所を移し、再び扉に手をかけましたが、開きません。
 何かフラグが立たないかと思って部屋中を探し回りましたが、何も見つかりません。
 王様を抱えてみました。超暴れて突き放されました。
 どうにもこうにも、行き詰まり。
 仕方ない。幸いにも今、竜の鼓動を持っていることだし。一度黙らせてしまおう。

 ようやく攻撃に転じて王さまを攻撃!
 よっわ。
 体力ゲージは2本のみ。非常に脆い体なので、一撃で半分くらい削れました。うわー。
 残り、ゲージの半分! といったところまで削ったところで、イベントが挿入されました。
 ようやくか!
 窓からバルコニーに飛び出る王。同時に、兵士二人が部屋に乱入。主人公もバルコニーに。
 老王の姿に驚く兵士。
「王様……?」
 と確認のため呼びかけ。王様、強く肯定。
 あー、最悪のパターンだ。
 老王は兵士二人に支えられ、肩で息をしながら主人公を糾弾。
「この裏切り者が、ドラゴンと計り、呪いをかけたのだ!」
 でたらめを言う王。でも王ですから。発言力は一番上ですからね。たとえ間違えていても。
「ドラゴンを倒してなどおらぬ! 邪悪の手先となり、この町を滅ぼすつもりなのだ! 街を見ただろう。あれこそドラゴンの力を借りた、邪悪の仕業。捕らえよ!」
 一言も弁明することなく瞬時に逃げに転じる主人公。
 バルコニーから飛び降りますが、その先にも既に兵士の姿。囲まれてます。
 ……お前ら、今命令が下ったばかりなのに、ここにまで来てるって、優秀過ぎだろう。それとも既に待機してたのか? オルダスたちの顔が浮かびました。
 先ほどは人の気配がなかったのに、この兵士の多さは何事なんだか。
 ようやく主人公の動きが自由になりましたが、爆笑しました。
 囲んでいた兵士たちの動きが、尋常でなく素早いです。L3ダッシュよりも素早いです。ちょこまかと……本当にちょこまかとした動きで、主人公を殺そうと迫ります。
 彼らを殺しては罪が重くなるだけなので、一目散に城門へ。
 外へ出た瞬間、こちらにも命令が走っていたようで、兵士たちが向かってきました。
「覚者――やはり貴様は! 私欲にまみれ、人心をたぶらかす邪悪と同じだ。馬脚を現したようだな! もはや貴様を同胞と思わぬ!」
 指揮を執るのはマクシミリアン。気に入ってたので、ちょっとショック。
 彼の口から「やはり」って言葉が出るってことは、信用されてなかったんだなぁ。
「領王さまの命令だ! 生死は構わん、ひっとらえろ!」
 マクシミリアンの号令によって、兵士たちが向かってきます。
 うひょーう。
 真剣な場面なのに、兵士たちの機敏過ぎる動きに、やっぱり笑ってしまう。楽し過ぎるよ、お前ら。

 さぁどうすればいいのかな?
 ちょっと悩んでいたら、あっという間に囲まれて、剣で串刺し。雑魚だと侮れません。ガッツリ体力削られていきます。
 やばい、死ぬ。
 しかも四方を固められているので、容易に抜け出せない。
 こちらも攻撃を加え、ジャンプし、なんとか奴らの包囲網から抜け出しました。ところでポーンの姿がないのだが、もう捕らえられたのか……?
 いや、それは変だ。城門を出た先ほどはいた。マクシミリアンの怒声を聞いてたときも、いたように思う。じゃあどこに?
「こちらです!」
 と呼ぶ声に視線を向けると、奴らは3人とも通用門にいました。

 真っ先に置いていきましたねっ?

 奴らのチャッカリ具合に脱帽です。
 ダッシュで通用門に近づき、彼らに合流しようとしたら、あいつら、またダッシュで逃げるんですよ。いや、そりゃ、正騎士に命狙われてるんだから必死になって逃げるでしょうよ。でもそうじゃなくてね?
 主を置いて逃げるとは、どういう了見だ(怒)

 ダッシュして気付きましたが、街の中なのにスタミナが減りました;
 四面楚歌だからってことでしょうか。
 もう街の中は安全ではない(涙)

 どこに行けばいいんだろう、と菜園に転がり出ました。しかし兵士に追われ、再び通用門付近へ。街へ。
 武器屋近くに行ったとき、イベント挿入。
 大穴付近に追い詰められる主人公。兵士たちが主人公に剣を向け、じりじりと近づいてきます。
 絶体絶命の、そのとき、大きな地震が起こりました。
 悲鳴が上がり、大穴からハーピーの大群が発生。混乱する兵士たち。それは主人公も同じなのですが。
 なぜかドラゴンの声を思い出す主人公。
「深遠を覗かば、そこに見えるだろう」
 あの時は意味が分かりませんでした。人の欲望とか、そういう精神論を言ってるのかなと思ったのですが、実は違ったようです。
 大穴の深遠を覗く主人公。ハーピーの群れの、その向こう側。
 人がいます。どうやら、何かを覗き込んでいるもよう。それは、大穴。
 ハッとして空を見上げる主人公。
 空の彼方の光。それは、大穴から差し込む光。大穴から覗き込む、自分の姿。
 上を見ても、下を見ても、延々と繋がるねじれた空間。
 足を滑らせ、主人公は大穴に真っ逆さま――。

 なんだかハッピーエンドは難しいような気がしてきましたよ?