5日目――昼
真犯人が分かったと言うのは本当なんでしょうね、と最初から怒ってる華族に「本当です」と返す和都。
いや、まだ分かってないけど……(;・ω・)
まずは自分の容疑を晴らすところから。
地下通路を通って大和探偵の部屋に侵入したという推理は不可能だと断言。
それはなぜか。
地下通路の問題点を「美食探偵」に尋ねると、ちゃんと応えてくれました。
実演するため地下通路に入り、彼女が中から蓋を開く。
社畜探偵が「すごい音だね」と苦笑しました。
大和探偵はとても耳がいい子だったから、この音に気付かず眠ったままだなんてありえない、と説明すると全員が納得してくれたようです。よし。
この犯行は突発的でギャンブル的なものだったから粗が残っている。
大和探偵を殺害した方法もそうだ。
指摘すると科学探偵が再現してくれました。
床にワイヤーが張られ、壁掛けベッドのチェーンに結び付けられている。
これは何か、の問いに「ワイヤーソー」だと答えたら違いました。
(^^;)
正解は「SPXのワイヤー」でした。
SPXの針を巻き取って回収するためのワイヤーです。
分かりやすい針が盗まれたことで、他の部品が盗まれたことには気付けなかった模様。
このワイヤーは太めで丈夫ですが、色が黒いため暗闇で視認できない。
部屋に照明がついてない牢屋であれば尚更のこと。
ワイヤーを床に伝わせて、壁に沿う形で入口まで伸ばせば、部屋に入らなくてもワイヤーで中に干渉できるでしょうね、と科学探偵が補足。
どうやって数メートル離れた大和探偵に針を突き刺したのか。
社畜探偵が科学探偵に疑問符を投げかけます。
犯人が大和探偵の上まで針を運んだ方法は「ワイヤーの橋を滑らせた」?
「端」じゃないのかと思ったら「橋」で合ってた。
犯人は壁掛けベッドのチェーンと牢屋の柵をワイヤーで結び付けることで、外とベッドまでを繋ぐ架け橋を作成。そして、その架け橋を滑り落とすことで針を運んだ。
チェーンが伸びているのはベッドの端っこ。
チェーンの元まで針を滑らせたとしても、刺さるのは頭か、よほど運良くて肩くらい。
社畜担当が、今回はかなり中身の推理に迫ってきますが――犯人は彼でしょうか。
今回は大和探偵と外道探偵を取り違えて殺したのではという感じもあるから、以前から険悪状態だった彼が外道探偵を殺そうとしても不思議ではない。
うーん、もやもやする。
推理に戻ろう。
1本のワイヤーだけなら社畜探偵の言う通り。
では、ワイヤーを2本使って欄干代わりにしたらどうか。
針が通ったのはあくまで欄干の間。
文学探偵が容易したレプリカで実験開始です。
ワイヤーに通し、柵側の結び目を高い位置にしました。
傾斜がきつくなることで、針は滑り台のように大和探偵の上にきます。
針の軽さを知らない華族探偵が、なぜワイヤーがたるまないのかと疑問符。
針は先端以外がとても軽いんです、と科学探偵が説明。
あれ? 先端以外がとても軽いっていう情報は全員が知ってる情報じゃなかったっけ?
無能探偵がワイヤーを引き抜くと、ぶら下がっていた針は当然ベッドに落ちますが、でも勢いが足りなさ過ぎて刺さらない。それを補うための柵は次。もう1本のワイヤーを全力で引っ張ると、チェーンを引かれたベッドが壁に向かって起き上がる。
――理屈はオッケー。
無能探偵が、引いてたワイヤーをたるませてみると、再びベッドが出てきました。
ベッドには針が深々と突き刺さっています。
ただ、この方法には致命的な弱点がある。
檻側の結び目を高くしなければいけないため、低い身長では届かない。
犯人が身長を補うために何をしたのか。
ここも選択式。
「看守室の椅子」を使ったんでしょう。
犯人はここで致命的なミス。
無能探偵と遭遇したこと。
ああ、誘拐される直前の話ですね。
御手洗いに行くと言えば済む話だっただろうけど、そうできない人物。
つまり、あの場にいたらおかしな人物が犯人だ、とのこと。
マップを見ながら無能探偵が説明。
あー、もう、犯人は社畜で決まったようなもんですね。
選択式。
「社畜探偵」を選択、です。
犯人だと指摘受けても社畜探偵はうろたえることなく「冗談キツイ」と微笑みました。
私もきついっすー。
部屋の位置だけで犯人だと断定するのかと。
どうしてあの場にいたらおかしいのか聞かれました。
「手洗い場の通り道じゃない」からですよ、と説明。
それなら科学探偵にも当てはまるじゃないか、となかなか認めません。
科学探偵は「車椅子に乗っているから」ということで候補から除外。
無能担当に姿を見られたかもしれないと思って排除を試みたようです。
そう告げると社畜探偵の反撃理由が変わり「動悸がないだろ」に。
大和探偵への警戒心は、確かにありませんでしたが……。
自分は探偵同盟の創成期から活動をしている。
そんな自分がなぜ同じ同盟の仲間を傷つけなければいけないのか。
社畜探偵は本当に大和探偵を殺したかったのか。
自問に対しては「殺す気はなかった」を選択。
だって動悸がありませんからね。
社畜探偵が動揺しながら、まさにこちらが考えていることをそのまま喋ってくれました。
原因は「牢屋の交換」。
この事実を社畜探偵は知らなかった。
だから、彼が本当に殺したかったのは「外道探偵」だということに。
和都を犯人に仕立て上げようとしたのも社畜探偵の仕業ってことになりますね。
……社畜探偵は沈黙。
それ以上の反論はありません。
彼と外道探偵との間にいったい何があったんでしょうか。
そう思っていたら外道探偵が笑い始めました。
壊れた男め。
社畜探偵は今でこそ優しそうに見えるが、十年前までは真逆。
鬼畜探偵と呼ばれ、大勢の子どもたちを監禁していた、と説明。
なるほど。
和都が夢の中で聞いた男の怒声は社畜探偵のものだったのか。
社畜探偵が声を荒らげて外道探偵につかみかかろうとするので、慌てて間に入る和都。
彼が子どもを誘拐していたなんて、そんなわけないじゃないか、と擁護すると失笑されました。
察しが悪いなぁ、と。
そうね。
十年前に和都を誘拐したのも鬼畜探偵だよと説明すると、社畜探偵は絶句。
どうやら社畜探偵は和都が誘拐された子どもだと気付いてなかったようですね。
てか、和都が誘拐されたってこと、外道探偵に教えたっけ?
またしても社畜探偵を挑発する外道。
やめときゃいいのに。
外道探偵に強烈な蹴りを叩きこむ社畜探偵。
社畜探偵の力を見た被虐探偵と和都が「騙してたんだね」と、ついに社畜探偵を非難。
あー、社畜さんは今冷静じゃないから、もう少し落ち着かせるように誘導すればいいのに。
和都たちじゃ無理だろうなぁ。
美食探偵あたりが落ち着かせてくれないかなぁ。
追い詰められた社畜探偵は必至に弁護。
あの時の私は何も知らなかった。後悔はある。だから罪滅ぼしのために夜も眠らず探偵家業を続けている、と。
罪滅ぼしのくだりは社畜探偵の自己満足の世界だからウーンという感じですが、過去の所業についてはもういいんじゃないのかなぁと思う。
被害者側からすればとんでもない話だけど、同じこと繰り返さないって反省してるし、もう許された!と拡大解釈するわけでもないし。今までの社畜探偵はまともに働いてくれてたわけだし、貢献度は誰よりも高いと思いますよ。
外道探偵が挑発さえしなければ、社畜探偵がもう少し冷静でいてくれれば、もしくは場の雰囲気をコントロールしてくれる誰かがいてくれたら、結果はまた違ったものになったはずなのに。
ここで美食探偵が社畜探偵を糾弾し始めました。
大和ちゃんを殺したことは事実。
私は、あなたを絶対に許さない、と厳しい目です。
うわわわ、これ以上社畜探偵を追い詰めないで( >Д<;)
美食探偵に対しては真摯に詫びる社畜探偵。
再び外道探偵に向き直り、お前だけは鬼畜に戻ろうと殺す! と宣言。
単なる私怨かと思ってましたが、もしかして違うんだろうか。
機密警察が生み出した最悪の化け物「不滅探偵」と外道探偵を呼ぶ社畜探偵。
外道探偵は飄々とした態度を崩さず。
覚えているのはこの地下室に閉じ込められていたことだけだよ。
キミも覚えているんだろう? キミと俺は、この鬼畜探偵に誘拐された同志だからね~♪
衝撃を受ける和都。
そこに華族が割って入って来ました。
全然話が分からない、と。
そりゃそうか。
詳しい話はあとで話してあげるよと言いつつ、それより今は鬼畜探偵を捕えないとね、と矛先を再び社畜探偵に向ける外道探偵。
武装探偵と美食探偵が彼を挟み込むようにすると、社畜探偵は深いため息。
大人しくしててくれ、と願ったのも束の間。
まだ捕まるわけにはいかないんだ、と社畜探偵は逃亡。
今までと全く異なる身体能力。
追いかけます~。